ヴェルラの製材・板紙工場とは
ヴェルラの製材・板紙工場は、フィンランド南部のコウヴォラに位置する、19世紀の産業革命期の姿を色濃く残す産業遺産です。1872年に設立され、1964年まで稼働していたこの工場は、当時の製材・板紙製造技術と、そこで働く人々の生活環境を今日に伝えています。1996年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
ヴェルラの製材・板紙工場の価値は、ヨーロッパの製紙産業初期の歴史を伝える貴重な産業遺産である点にあります。
- 産業技術の保存: 19世紀から20世紀初頭にかけて使用された機械や設備が、稼働していた当時のまま保存されており、当時の技術水準を知る上で重要な資料となっています。
- 歴史的な労働環境: 工場敷地内には、労働者や管理者の住居、事務所などが残されており、産業社会の歴史と当時の人々の暮らしを物語っています。
世界遺産登録基準
- 登録基準(iv): 19世紀から20世紀初頭における地方の小規模な製紙・板紙産業の技術的・社会的発展を、非常によく保存された状態で示す顕著な見本である点が評価されました。
主な施設
ヴェルラの工場には、製材所、板紙工場、労働者の住居など、歴史的価値の高い施設が数多く残されています。
施設名 | 特徴 |
---|---|
製材所 | 19世紀後半の製材技術を今に伝える施設です。 |
板紙工場 | 当時の板紙製造の工程を理解することができます。 |
労働者の住居 | 当時の労働者の生活様式を垣間見ることができる住居群です。 |
参考文献: UNESCO World Heritage Centre. “Verla Groundwood and Board Mill”. https://whc.unesco.org/en/list/751