WORLD HERITAGE
オアハカ中央渓谷のヤグルとミトラの先史洞窟
メキシコ・オアハカ中央渓谷のヤグルとミトラ周辺の洞窟群は、狩猟採集から植物管理・栽培へ移る長期過程を伝えます。植物遺存体、石器、景観利用と、食料生産の「始まり」を単純化しない見方を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 2010年
- 登録基準
- (3)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- メキシコ
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の意義
オアハカ中央渓谷のヤグルとミトラの先史洞窟はメキシコ南部にあり、2010年に登録基準(iii)で文化遺産に登録されました。登録面積は1,515.17ヘクタールです。トラコルラ渓谷北側の斜面にある先史時代の洞窟・岩陰と、二つの先スペイン期の考古遺跡群を含む景観が、狩猟採集から植物栽培、より定着的な生活へ移る長い過程を伝えます。
洞窟と植物遺存体
ギラ・ナキツ洞窟ではヒョウタン、豆、カボチャ、トウモロコシの穂軸などの植物資料が良好に保存されていました。UNESCOの概要は、約一万年前のウリ科の種子を栽培化の早い証拠として紹介しています。クエバ・ブランカとゲオ・シーの遺跡からは更新世の動物や石器、夏の果実・小型哺乳類などの資源を季節的に利用した証拠が得られています。
トウモロコシの年代と研究の解釈
ピペルノとフラナリーが2001年に発表した研究では、ギラ・ナキツの穂軸を加速器質量分析で直接測定し、約5,400放射性炭素年、暦年代では約6,250年前という結果を得ました。二つの数値は別々の遺物の年代ではなく、年代表示の違いです。より古い層にトウモロコシ果実の大型遺存体や植物珪酸体が見られなかったことなどから、著者らは栽培化につながる営みがメキシコの別地域で始まった可能性を指摘しました。
登録基準(iii)と生活の変化
基準(iii)は、ギラ・ナキツの栽培植物の証拠と、クエバ・ブランカ、ゲオ・シーの考古学的証拠を組み合わせることで、狩猟採集からより定着した共同体への変化を示す点を評価します。UNESCOも、こうした移行はメソアメリカの複数地域で並行して起きたと説明しています。単一の洞窟で一度に農業が発明されたという意味ではありません。
考古学の証拠と景観を守る
UNESCOの真正性の説明は、知識の根拠となる資料が今は洞窟内に残っていないことと、遺跡そのものの真正性を区別しています。管理の記述では、遺跡ごとの記録票、地図、写真を用いた記録と、INAH・CONANPによる管理、共同体との伝統的土地利用に関する協定が示されています。洞窟だけでなく、周辺の利用を含む文化的景観として保全される遺産です。
世界遺産検定で押さえるポイント
- メキシコのオアハカ中央渓谷、2010年登録、基準(iii)の文化遺産です。
- ギラ・ナキツの植物遺存体と、クエバ・ブランカ、ゲオ・シーの考古学的証拠が重要です。
- 狩猟採集から植物栽培・より定着した生活への長期移行を伝え、農業の単一発明地点という意味ではありません。
参考文献
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- メキシコのオアハカ中央渓谷、2010年登録、基準(iii)の文化遺産です。
- ギラ・ナキツの植物遺存体と、クエバ・ブランカ、ゲオ・シーの考古学的証拠が重要です。
- 狩猟採集から植物栽培・より定着した生活への長期移行を伝え、農業の単一発明地点という意味ではありません。
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