ニンガルー・コーストとは
ニンガルー・コーストは、オーストラリア西オーストラリア州の北西部に位置する海岸地帯で、2011年に世界自然遺産に登録されました。この遺産地の最大の特徴は、陸からわずか数メートルの距離から始まる、世界最大級の裾礁(フリンジングリーフ)であるニンガルー・リーフです。約300kmにわたるこのサンゴ礁と、隣接する乾燥した陸地のカルスト地形が一体となって、類いまれな自然環境を形成しています。
世界遺産としての価値
ニンガルー・コーストは、以下の2つの登録基準で評価されています。
- 登録基準 (vii): 乾燥した赤い大地と、ターコイズブルーの海に広がる色鮮やかなサンゴ礁が織りなす、対照的で壮大な自然景観を有します。
- 登録基準 (x): 世界最大の魚類であるジンベエザメが毎年大集結する場所として世界的に有名です。また、ウミガメ、ジュゴン、マンタ、ザトウクジラなど、多種多様な海洋生物の生息地・回遊経路となっており、生物多様性の保全上、極めて重要です。
海洋生物の楽園
ニンガルー・リーフは、海岸から直接泳いで到達できる手軽さにもかかわらず、非常に豊かな生態系を誇ります。毎年3月から7月にかけて、プランクトンの大発生に合わせて多数のジンベエザメが訪れ、一緒に泳ぐことができるツアーは世界中から観光客を惹きつけます。また、世界に7種いるウミガメのうち6種がこの地域で見られ、重要な産卵地ともなっています。陸地側には、地下水系が発達した洞窟や地下水路からなる広大なカルスト地形が広がり、希少な固有の地下生物が生息しています。
観光と保全
ジンベエザメとのスイムツアーをはじめ、ダイビング、スノーケリング、カヤッキングなどが盛んです。観光が海洋環境に与える影響を最小限に抑えるため、ツアーはライセンス制となっており、ボートの数や生物との距離などが厳しく規制されています。持続可能なエコツーリズムの推進が、この貴重な海洋生態系を守る鍵となっています。
| 分類 | 代表的な海洋生物 | 
|---|---|
| 魚類 | ジンベエザメ、マンタ(オニイトマキエイ)、ジャイアントグルーパー | 
| 哺乳類 | ジュゴン、ザトウクジラ、バンドウイルカ | 
| 爬虫類 | アオウミガメ、アカウミガメ、タイマイ | 

 
    
       
       
       
       
       
       
       
       
      