概要
要塞都市カンペチェは、メキシコのユカタン半島に位置する港湾都市です。16世紀にスペイン人によって建設され、カリブ海の海賊による度重なる襲撃から街を守るため、17世紀にかけて堅固な城壁や砦で囲まれました。六角形の城壁に囲まれた歴史地区には、当時のカラフルなコロニアル建築が良好な状態で保存されており、カリブ海地域の植民地都市における軍事建築の優れた例として、1999年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。
主な構成資産
カンペチェの歴史地区は、全長2.5km以上の城壁、砦、稜堡(りょうほう)によって守られています。これらの防御施設と、その内側に広がるバロック様式の聖堂や色鮮やかな家並みが一体となり、独特の歴史的景観を形成しています。
| 構成資産 | 特徴 |
|---|---|
| 市壁と砦 | 都市を囲む防御施設。サン・ミゲル砦やサン・ホセ砦などが現存する。 |
| カンペチェ大聖堂 | 歴史地区の中心に位置する壮麗なバロック様式の教会。 |
| 歴史地区の街並み | パステルカラーで彩られたコロニアル様式の建物が並ぶ。 |
世界遺産登録基準
- (ii) カンペチェの防御システムは、17世紀から18世紀にかけての軍事建築思想の交流を示す顕著な見本である。
- (iv) スペイン植民地時代の都市計画と、カリブ海の海賊からの防衛という要請が融合した、要塞都市の優れた典型例である。