ウルネスの木造教会とは
ウルネスの木造教会は、ノルウェー西部のソグネ・フィヨルド沿岸に佇む、現存するスターヴ教会(樽板教会)の中で最も古い教会です。12世紀前半に建設され、その精緻な木彫り装飾で知られています。1979年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値
この教会の価値は、ヴァイキング時代から続く北欧の伝統芸術と、新たに伝来したキリスト教の建築様式が見事に融合している点にあります。
- スカンディナヴィアの木造建築の傑作: 柱と梁で構造を支えるスターヴ様式という、ヴァイキング時代から続く伝統的な木造建築技術の優れた例です。
- ウルネス様式の木彫り: 教会の北ポータル(戸口)などには、動物が絡み合う優美な木彫り装飾が見られます。これは「ウルネス様式」として知られるヴァイキング芸術の最終段階を示すものであり、芸術的価値が非常に高いと評価されています。
- 文化の融合: 教会全体の構造はキリスト教の様式に従っていますが、随所に見られる装飾は北欧の神話や土着の文化を色濃く反映しており、二つの文化が交わった時代の貴重な証人です。
世界遺産登録基準
- (i) 人類の創造的才能を表現する傑作。
- (ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所在地 | ノルウェー、ヴェストラン県ルステル |
| 登録年 | 1979年 |
| 遺産種別 | 文化遺産 |
| 建設年代 | 12世紀前半(ca. 1130年) |
| 建築様式 | スターヴ教会(樽板教会) |
| 芸術様式 | ウルネス様式(ヴァイキング芸術) |