バジ・ビムの文化的景観とは
バジ・ビムの文化的景観は、オーストラリアのビクトリア州南西部に位置する、先住民グンダイットマラ族が築き上げた世界最古級の水産養殖システムです。6600年以上にわたり、ウナギの養殖と捕獲を行ってきた文化的伝統が評価され、2019年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産としての価値
この遺産は、先住民が定住生活を営むために、火山活動によって形成された地形を巧みに利用し、自然環境と調和した持続可能な生活を築き上げた顕著な証拠です。
- 登録基準(iii): 数千年もの間、口承や儀式を通じて受け継がれてきたグンダイットマラ族の文化的伝統が、今も生き続けていることを証明しています。
- 登録基準(v): 玄武岩を利用して水路、堰、池を構築し、ウナギを管理するシステムは、人類と環境との相互作用を示す優れた例とされています。
景観の主要な構成要素
バジ・ビムの景観は、火山性の地形を利用した以下の要素から構成されています。
- 水路網: 湖や湿地をつなぎ、水位を管理するために溶岩流の間に掘られた水路。
- 堰と魚の罠: 水流を制御し、ウナギを効率的に捕獲するために石で組まれた構造物。
- 石造りの住居跡: この地で定住生活を送っていたことを示す住居の遺跡。