鼓浪嶼(コロンス島):歴史的共同租界とは
鼓浪嶼(コロンス島)は、中国福建省厦門(アモイ)市に属する島で、2017年に世界文化遺産に登録されました。19世紀半ばのアモイ開港後、多くの外国人が居住する共同租界となり、中国、東南アジア、ヨーロッパの文化が融合した独自の景観が生まれました。その歴史的背景から「万国建築の博物館」とも称されます。
世界遺産登録基準
- (ii) 文化交流の重要な証拠。西洋とアジアの価値観が交流し、建築、文化、社会において新たな様式が生まれました。
- (iv) 建築技術の発展を示す顕著な例。様々な国の建築様式が地域の伝統と融合し、独特の「アモイデコ」スタイルなどを生み出しました。
遺産の概要
島内には、19世紀から20世紀初頭にかけて建てられた洋館、教会、病院、学校などが数多く残されています。ヴィクトリア朝様式、ゴシック・リヴァイヴァル様式、古典主義様式など多様な建築様式が、中国の伝統的な要素と巧みに融合しているのが特徴です。自動車の走行が禁止されているため、静かで美しい街並みが保たれています。
主要な建築物
建築物名 | 特徴 |
---|---|
八卦楼(はっけろう) | 島のランドマーク。中国の古典様式と西洋の建築様式が融合している。 |
海天堂構(かいてんどうこう) | 中庭を囲むように5つの洋館が建つ、中西折衷様式の代表的な邸宅。 |
日光岩(にっこうがん) | 島の最高峰。頂上からは島全体と厦門市街を一望できる。 |
参考文献
「Kulangsu, a Historic International Settlement」. UNESCO. https://whc.unesco.org/ja/list/1541