概要
マラムレシュの木造教会群は、ルーマニア北部のマラムレシュ地方に残る、17世紀から18世紀にかけて建てられた木造教会の集まりです。その独特の建築様式と美しい装飾が特徴で、1999年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。高くそびえるスリムな鐘楼に代表されるように、地元の大工職人が持つ高度な技術と芸術性を示しています。
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されています。
- (iv) 北部ルーマニアにおける、地域の宗教的伝統に根差した木造建築の顕著な例である。
遺産の価値
マラムレシュの教会は、地元の材料と独自の建築技術で建てられました。高くそびえる鐘楼や精巧な木彫りの装飾は、地域の職人の高度な技術を物語っています。また、これらの教会は地域社会の宗教生活の中心として機能し、何世代にもわたって信仰と伝統を守り続けてきました。教会内部に保存されている多くの宗教画や彫刻は、地域の重要な文化遺産です。
主な教会
世界遺産には以下の8つの教会が登録されています。
- バーサナ教会: 1710年のペスト終焉への感謝を込めて建てられました。
- ブデシュティ教会: 中世の伝説的な義賊ピンティア・ヴィテアズルの鎖かたびらが展示されています。
- デセシュティ教会: 1770年建造。保存状態の良い壁画で知られます。
- イエウド教会: 17世紀に建てられた、ルーマニア最古級の木造教会の一つです。
- プロピシュ教会: 1798年建造。豊かな装飾と壁画が特徴です。
- ポイエニレ・イゼイ教会: 1604年建造。劇的な場面を描いた壁画が見どころです。
- ロゴズ教会: 1700年建造。外部の彫刻が特徴的です。
- スルデシュティ教会: 1721年建造。ルーマニアで最も高い木造教会の一つです。