概要
ウルル、カタ・ジュタ国立公園は、オーストラリア中央部の広大な砂漠地帯に位置する国立公園です。巨大な一枚岩「ウルル(エアーズロック)」と、36の奇岩群「カタ・ジュタ(オルガズ)」で知られています。1987年に自然遺産、1994年に文化遺産として拡大登録され、現在は複合遺産となっています。この地は、先住民アナング族にとって古くからの聖地であり、彼らの文化と信仰が今も息づいています。
自然と文化の価値
この公園の価値は、壮大な自然景観と、そこに深く根ざしたアナング族の生きた文化が一体となっている点にあります。
- 自然の価値: ウルルとカタ・ジュタは、約6億年前からの地球の地質学的活動によって形成された地形であり、その雄大な姿と、太陽の光によって刻々と色を変える景観は、圧倒的な自然美を誇ります。
- 文化の価値: アナング族にとって、この土地は創造神話「ドリームタイム」にまつわる聖地です。岩肌に残る壁画や伝統儀式を通じて、数万年にわたる彼らの精神世界と文化が継承されています。
主な見どころ
公園内では、自然の驚異と文化の深さを体感できる様々な見どころがあります。
| 景観 | 説明 |
|---|---|
| ウルル(エアーズロック) | 高さ348m、周囲約9.4kmの世界最大級の一枚岩。特に日の出と日没時に赤く染まる姿が有名です。 |
| カタ・ジュタ(オルガズ) | 大小36のドーム状の岩が集まった奇岩群。「風の谷」と呼ばれる散策路からの眺めは壮観です。 |
| ロックアート(岩絵) | ウルルの麓にある洞窟には、アナング族の神話や生活を描いた数千年前の壁画が残されています。 |
世界遺産登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (v) アナング族の伝統的な土地利用と信仰体系は、厳しい環境と相互作用してきた人類の歴史を示す顕著な見本である。
- (vi) アナング族の信仰や芸術、神話と深く結びついており、今なお続く生きた文化的伝統の顕著な見本である。
- (vii) ウルルとカタ・ジュタが織りなす砂漠の景観は、他に類を見ない自然美と荘厳さを示している。
- (viii) 地球の歴史の主要な段階を示す地質学的・地形学的な特徴を代表する顕著な見本である。