概要
ベリンツォーナは、スイス南部のティチーノ州に位置する、アルプスを越える交通の要衝です。この戦略的な立地を守るため、中世に築かれたのが「三つの城、城壁と要塞」であり、2000年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。これらは、アルプス地方における中世の城塞建築の傑出した例として高く評価されています。
三つの城と城壁
城塞群は、それぞれ異なる時代に丘の上に築かれた三つの城と、それらを結ぶ城壁から構成されています。
| 城 | 特徴 |
|---|---|
| カステルグランデ | 最も古く、規模が大きい城。ベリンツォーナの町の中心にそびえ、二つの塔が象徴的。 |
| モンテベッロ城 | カステルグランデの東の丘に位置する城。現在は市立博物館として利用されている。 |
| サッソ・コルバロ城 | 最も高い場所に築かれた城。谷全体を見渡せる絶好の場所にあり、防御の要であった。 |
これらの城は、ミラノ公国などの支配者が北からの侵攻を防ぐために拡張・強化したものであり、当時の軍事技術の粋を集めた堅固な防衛システムを形成していました。
世界遺産登録基準
- (iv) 人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術の集合体、または景観の顕著な見本であること。