本文へ移動
世界遺産ライブラリWORLD HERITAGE LIBRARY

WORLD HERITAGE

英国文化遺産2017年登録

イングランドの湖水地方

英国の湖水地方は、氷河地形に農牧業、石垣、集落、庭園が重なり、絵画的景観美と自然保護思想へ影響した文化的景観です。共有地、牧羊・女性労働、文学的表象と住宅・観光圧を解説します。

イングランドの湖水地方(英国)のイメージイラスト

ESSENTIAL FACTS

基本情報と登録基準

登録年
2017年
登録基準
(2)・(5)・(6)
種類
文化遺産
国・地域
英国

WHY IT MATTERS

この世界遺産について

湖と農牧地がつくる文化的景観

イングランドの湖水地方(The English Lake District)は、英国のイングランド北西部にある文化遺産です。2017年に登録基準(ii)(v)(vi)で登録され、面積は229,205.19ヘクタールです。氷河が削った谷と湖、山の斜面に、牧草地、石垣、農家、集落、庭園や邸宅が重なっています。

自然がつくった地形に、長年の農牧業と景観を美しく整える活動が加わりました。山に囲まれた湖の眺めだけでなく、土地を使い続ける人びとの営みも遺産の価値に含まれます。

共有放牧地で受け継がれる知識

国立公園管理機関は、柵のない共有放牧地で家畜を管理する「ヘフティング」を紹介しています。羊は特定の範囲にとどまり、季節ごとに餌や避難場所を見つけることを学びます。その知識が母羊から子羊へ伝えられ、群れと土地の関係が世代を越えて保たれます。

小作農場の多くでは、土地所有者の群れを維持して、この習性が途切れないようにしてきました。ハードウィック羊は湖水地方の中央部と西部を代表する在来品種です。羊の姿は風景の飾りではなく、山地を利用する仕組みの一部なのです。

羊飼いが集まる行事

管理機関が支援する羊飼いの集会は、もともと迷った羊を持ち主へ戻す場であり、雄羊の交換も行われました。今日では羊の品評、牧羊犬の競技、歌などを伴う交流の機会として紹介されています。放牧の維持には、個々の農家の仕事だけでなく、共同体の情報交換も関わっています。

文学と保護活動

湖水地方は、ワーズワスやラスキンなどの文学・芸術活動とも結びついています。ワーズワスは1799年にグラスミアへ戻り、のちにライダルへ移りました。人びとが景観に感じる美しさや心の動きは、この地方を描いた作品を通じて広く伝えられました。

絵本作家ビアトリクス・ポターも農場を購入し、ハードウィック羊の繁殖に取り組みました。国立公園の解説によれば、1943年に亡くなった際、14の農場、羊、4,000エーカーの土地をナショナル・トラストへ遺しました。創作活動と農業、土地の保存が具体的につながった例です。

三つの登録基準

基準(ii)は、ピクチャレスクやロマン主義による景観の評価から、景観を保護し享受する思想が広がった点に関わります。基準(v)は、山地に適応して続いてきた農牧業と、その後に加わった庭園や邸宅、保護のための土地管理がつくる文化的景観を評価しています。

基準(vi)は、風景の価値を誰もが享受できるという考えや、ナショナル・トラスト運動へつながる保護思想との直接的な関係です。自然に見える景観を、自然遺産ではなく文化遺産として登録している点が特徴です。

農業を続けながら守る

国立公園管理機関は、農業経営が収益を確保しつつ、世界遺産の価値と地域の特質を保つことを重視しています。UNESCOも、農牧業への経済的圧力、観光開発、長期的な気候変動を課題として挙げています。景観の保全は風景を固定することではなく、変化する条件の中で土地を使い続ける方法を考える仕事です。

検定のポイント

英国の文化遺産で、2017年登録、基準(ii)(v)(vi)です。氷河地形、牧羊と石垣、共有放牧地、ピクチャレスクとロマン主義、ワーズワス、ナショナル・トラストにつながる景観保護思想が要点です。

参考文献

PLAN YOUR VISIT

旅の計画・アクセス

確認済み
  1. 01
    起点

    ウィンダミア、ケズウィック、アンブルサイド/オクセンホルム、ペンリス、ウィンダミア各駅、マンチェスター

  2. 02
    主な交通手段

    鉄道・バス・車・タクシー・徒歩

  3. 03
    現地まで

    西海岸本線のオクセンホルム・ペンリス・カーライルから列車やバスで各地域へ入ります。マンチェスターからウィンダミアへの直通列車もあり、主要谷は路線バスで結ばれます。

  4. 04
    最寄り拠点から

    ウィンダミア、ケズウィック、アンブルサイド等を拠点に、バス、船、徒歩、自転車で湖・谷・集落を巡ります。訪問地域ごとに起点を分けると効率的です。

推奨見学時間
1地域なら1日、複数の湖や谷を巡るなら2〜4日以上
料金の目安
国立公園自体に一律入場料はありません。駐車場、船、施設、アクティビティは別料金です。
営業時間・休業情報
国立公園は常時入域できますが、案内所、交通、船、施設は季節・曜日で変動します。各運営者の公式時刻表を確認してください。
おすすめの時期
5月・6月・7月・8月・9月
気候・服装
年間を通じて雨に備え、重ね着、防水防風着、滑りにくい靴を準備してください。山地は平地より天候が急変します。
安全上の注意
登山・湖上活動では天候と能力に合う計画を立て、狭い道路や家畜のいる土地では現地ルールを守ってください。
バリアフリー情報
Miles without Stilesなど利用しやすいルートがあります。各ルートの勾配・路面・施設情報を公式案内で確認してください。
通信環境
谷間や山地では通信が不安定になることがあります。地図、時刻表、緊急情報を事前保存してください。

移動上の注意
夏季シャトルなど季節運行があります。細い道路、駐車場混雑、山岳天候を考慮し、鉄道・バス・船の当日運行を確認してください。

料金・営業時間・交通情報は変更される場合があります。

一次情報を確認補助情報を確認最終確認日 2026-08-10

EXAM ESSENTIALS

世界遺産検定で押さえるポイント

  • 英国の文化遺産で、2017年登録、基準(ii)(v)(vi)です。
  • 氷河地形、牧羊と石垣、共有放牧地、ピクチャレスクとロマン主義、ワーズワス、ナショナル・トラストにつながる景観保護思想が要点です。
公式の検定運営団体とは関係のない、一次情報に基づく独自の学習支援情報です。

COMMUNITY JOURNEYS

みんなの訪問記録

この世界遺産の訪問記録はまだありません。

あなたの写真と体験が、次に訪れる人の手がかりになります。