概要
タプタプアテアは、南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシアのライアテア島にある、ポリネシア文化を象徴する文化的景観です。中心となるのは、宗教的儀式を執り行うための神聖な空間「マラエ・タプタプアテア」です。この場所は、約1000年にわたり東ポリネシア全域の宗教的・政治的な中心地として機能し、ここから人々がハワイ、ニュージーランド、イースター島など太平洋の島々へと渡っていったとされています。ポリネシア人の精神世界と航海の歴史を物語る重要な遺跡です。
文化的・宗教的中心地
タプタプアテアは、単なる一つの遺跡ではなく、ポリネシア文化圏における広域なネットワークの中心でした。
| 構成要素 | 特徴 |
|---|---|
| マラエ・タプタプアテア | 海に面して建てられた巨大な石の基壇(アフ)を持つ中央マラエ。戦いの神オロが祀られ、重要な儀式や会議が行われた。 |
| 文化的景観 | マラエだけでなく、周囲の谷や森林、ラグーンの一部も含まれる。これら全体が、ポリネシア人の祖先と自然に対する信仰を示す神聖な空間とされている。 |
世界遺産登録
2017年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。登録にあたっては、以下の基準が評価されました。
- 登録基準 (iii): 1000年にわたるマオヒ(ポリネシア)文明の、他に類を見ない証拠であること。
- 登録基準 (iv): ポリネシアにおけるマラエ建築の発展を示し、その儀式的・社会的な機能を示す顕著な見本であること。
- 登録基準 (vi): ポリネシア人の起源に関する信仰や、太平洋への移住の歴史といった、普遍的な価値を持つ無形の伝統と深く結びついていること。