フランスのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路とは
スペインの聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すキリスト教巡礼路のうち、フランス国内を通る道と、その道沿いにある重要な宗教建築物群を対象とした世界遺産です。中世以来、信仰、文化、芸術の交流路として重要な役割を果たしてきました。
遺産の価値と登録基準
この遺産の価値は、巡礼という現象がヨーロッパの文化形成に与えた影響を物語る点にあります。巡礼路沿いには、巡礼者のために建てられた教会、修道院、橋、施療院などが点在し、ロマネスクからゴシックに至る建築様式の宝庫となっています。
- 登録基準(ii): 巡礼は文化交流の重要な経路であり、その道沿いの建築物には様々な様式の影響が見られる。
- 登録基準(iv): 巡礼路のために特別に発展した、大聖堂や教会などの建築群の優れた例である。
- 登録基準(vi): 中世西欧キリスト教世界における巡礼の精神的・物質的な側面を伝える、非常に重要な証拠である。
フランス国内の主要な4つの巡礼路
フランスには主に4つのルートがあり、それぞれが異なる景観と歴史的背景を持っています。
ルート名 | 特徴 |
---|---|
トゥールの道 (Via Turonensis) | パリを起点とし、オルレアン、トゥール、ポワティエなどを経由する最も北のルート。 |
リモージュの道 (Via Lemovicensis) | ヴェズレーのサント・マドレーヌ大聖堂を起点とし、リモージュやペリグーを通る。 |
ル・ピュイの道 (Via Podiensis) | ル・ピュイ=アン=ヴレを起点とする最も人気のあるルート。コンクなどの美しい村々を通過する。 |
トゥールーズの道 (Via Tolosana) | アルルを起点とし、トゥールーズやオロロン=サント=マリーを経由。イタリアからの巡礼者とも合流する。 |
概要
所在地 | フランス国内の広範囲 |
登録年 | 1998年 |
登録基準 | (ii), (iv), (vi) |