アルタのロック・アートとは
アルタのロック・アートは、ノルウェー北部のアルタ・フィヨルド周辺の複数の場所に残された、先史時代の岩絵(ペトログリフ)と岩刻画の広範な遺跡群です。紀元前約5000年から紀元前後にわたる長期間に描かれ、その数と保存状態の良さから、1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。狩猟採集民の生活や信仰を伝える貴重な記録です。
遺産の価値
この遺産の価値は、北極圏の厳しい環境で暮らした先史時代の人々の生活、社会、精神世界を、生き生きと描き出した視覚的な記録である点にあります。
- 先史時代の暮らしの記録: 描かれた絵は、トナカイやヘラジカの狩り、漁、熊に対する儀式、シャーマニズム的な踊り、ボートでの移動など、多岐にわたります。これらは文字記録のない時代の社会を知るための第一級の考古学資料です。
- 芸術的表現の多様性: 数千年にわたる岩絵群は、時代によって異なる様式を示しており、芸術表現の変遷を追うことができます。単純な線刻から、より写実的な表現まで多様なスタイルが見られます。
世界遺産登録基準
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
概要
項目 | 内容 |
---|---|
所在地 | ノルウェー、フィンマルク県アルタ |
登録年 | 1985年 |
遺産種別 | 文化遺産 |
制作年代 | 紀元前約5000年~紀元前後 |
岩絵の数 | 6,000点以上 |
主なテーマ | 狩猟(トナカイ、ヘラジカ)、漁業、熊儀礼、シャーマニズム、ボート |