パセオ・デル・プラドとブエン・レティーロ、芸術と科学の景観とは
「パセオ・デル・プラドとブエン・レティーロ」は、スペインの首都マドリードの中心部に位置する都市景観です。16世紀に構想された並木道と広大な公園が一体となり、芸術と科学の文化施設が集まる空間を形成しています。2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値と登録基準
この地域は、絶対王政下における啓蒙的な都市計画の理念を反映しています。市民が自然や文化に触れるための公共空間として設計され、プラド美術館、国立装飾美術館、王立植物園などが設立されました。芸術、科学、自然が調和したこの景観は、後のラテンアメリカの都市計画にも影響を与えました。
- 登録基準(ii): ある期間、あるいは世界の文化圏において、建築、技術、記念碑、都市計画、景観デザインの発展に重要な影響を与えた、人類の価値の交流を示すものである。
- 登録基準(iv): 人類の歴史上、重要な時代を例証する建築様式、建築技術、あるいは景観の顕著な見本であること。
- 登録基準(vi): 顕著な普遍的価値を持つ出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、文学的作品と直接または間接的に関連するもの。
主な施設
パセオ・デル・プラド通り沿いには世界的に有名な美術館が並び、隣接するブエン・レティーロ公園は市民の憩いの場として親しまれています。
| 施設名 | 特徴 |
|---|---|
| プラド美術館 | スペイン絵画の宝庫として知られる世界有数の美術館 |
| ティッセン=ボルネミッサ美術館 | 中世から現代までの西洋美術コレクションを所蔵 |
| ブエン・レティーロ公園 | かつての王室の庭園で、美しい池やガラスの宮殿がある |
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “Paseo del Prado and Buen Retiro, a landscape of Arts and Sciences”. https://whc.unesco.org/ja/list/1618