ヒエラポリスとパムッカレの写真

ヒエラポリスとパムッカレ

概要

ヒエラポリスとパムッカレは、トルコ南西部に位置する古代都市遺跡と、それが立つ石灰華の丘が一体となった世界遺産です。「パムッカレ」はトルコ語で「綿の城」を意味し、温泉水に含まれる石灰分が長年かけて結晶化し、純白の棚田のような幻想的な景観を作り出しています。この温泉の恩恵を受け、丘の上には古代ギリシャ・ローマ時代の温泉保養都市「ヒエラポリス」が築かれました。この自然の驚異と文化的遺跡が融合した独特の価値が認められ、1988年にユネスコ世界複合遺産に登録されました。

自然と文化の価値

この遺産は、自然の造形美と人間の歴史が密接に結びついている点に価値があります。
自然の価値:パムッカレの石灰華段丘は、世界でも類を見ない規模と美しさを誇る自然現象です。温泉水が丘を流れ落ちる際に石灰分が沈殿して形成される景観は、訪れる人々を魅了します。
文化の価値:ヒエラポリスは、紀元前2世紀から続く保養地であり、ローマ帝国時代に最盛期を迎えました。円形劇場や神殿、浴場、そして広大なネクロポリス(墓地)は、当時の都市の繁栄と人々の生活様式を物語る貴重な考古学的遺跡です。

主な見どころ

パムッカレの白い丘と、その上に広がるヒエラポリス遺跡が見どころです。

見どころ 特徴
パムッカレの石灰華段丘 温泉水が流れる純白の棚田状の地形。一部では足湯を楽しむことができる。
ヒエラポリスの円形劇場 約1万2000人を収容できたとされる、保存状態の良いローマ劇場。舞台の装飾が見事。
ネクロポリス(墓地) アナトリア最大級の古代墓地。2000基以上の様々な形式の墓が並ぶ。
アンティーク・プール 古代の遺跡が沈む温泉プール。クレオパトラも泳いだと伝えられる。

世界遺産登録基準

  • (iii) ヒエラポリスの遺跡は、ギリシャ・ローマ時代の文化的伝統の顕著な証拠である。
  • (iv) ギリシャ・ローマ時代の浴場とキリスト教建築を組み合わせた建造物群は、特筆すべき例である。
  • (vii) 炭酸カルシウム塩を含む温泉水によって形成された石灰華段丘の景観は、ひときわ優れた自然現象である。

ヒエラポリスとパムッカレの基本情報

                         
国名 トルコ共和国
世界遺産の名称 ヒエラポリスとパムッカレ
遺産の種類 複合遺産
登録年 1988
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅲ)(ⅳ)(ⅶ)
備考
範囲(ヘクタール)1077
地図

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