WORLD HERITAGE
スース旧市街
アグラブ朝期の交易・軍事港を起源とし、城壁、カスバ、リバート、大モスクと住宅街がまとまって残るチュニジアの旧市街。初期イスラームの沿岸防衛と地中海都市生活を伝えます。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1988年
- 登録基準
- (3)・(4)・(5)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- チュニジア
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
基本情報と遺産の価値
スース旧市街はチュニジア中東部の沿岸にある文化遺産で、1988年に登録基準(iii)(iv)(v)で登録され、2010年に境界変更が行われました。登録面積31.68ヘクタール、緩衝地帯60.99ヘクタールです。城壁内に軍事・宗教・商業・居住機能がまとまって残ります。
アグラブ朝と港市の歴史
スースはアグラブ朝期の800~909年に重要な交易港・軍港となりました。海からの襲撃に備える沿岸防衛網の一部で、モナスティルなどの拠点と連絡しました。初期イスラーム都市を、宗教施設だけでなく、防御、港、交易、住宅、職人活動が結び付いた生活空間として理解します。
城壁都市の構成
旧市街にはカスバ、城壁、リバート、大モスク、ブー・フタタ・モスク、曲がりくねる路地と住宅区があります。南北・東西の主要軸を基礎に、細い路地が街区を分けます。城壁は登録範囲をほぼ画し、外部の新開発が沿岸要塞としての眺望へ影響するため、内部だけでなく周辺景観も管理対象です。
リバートの軍事・宗教機能
リバートは要塞と宗教施設の機能を併せ持ちます。スースのリバートは塔を備えた矩形の囲い、一つの門、二層の中庭、35の房、礼拝空間から成り、821年に加えられた南東塔はミナレットと監視塔を兼ね、モナスティルへ信号を伝えました。初期沿岸防衛建築の重要な類型です。
登録基準(iii)(iv)(v)
基準(iii)は、主要建築群がヒジュラ初期の文明へ例外的な証言となる点を評価します。基準(iv)は、保存状態の良いリバートが軍事・宗教建築類型の顕著な例である点です。基準(v)は、アラブ・イスラームと地中海の建築、伝統的生活を伝える旧市街が、現代の社会経済変化に脆弱である点を評価します。
完全性・真正性
城壁内に主要な記念物と歴史的都市組織が含まれ、街路と建築の基本形は大きく改変されず残ります。生活様式への適応と長期の修復は、機能・構造の真正性を必ずしも損ないません。一方、不適切な材料、過大な新築、歴史的住宅の観光用途化が、細部と住民生活を弱める可能性があります。
生きた旧市街の保全
住民の安全、住宅設備、商業の必要と、建物・街路・眺望の保存を両立させます。修理は記念物だけでなく、住宅、排水、看板、交通、ごみ、職人技を含む日常管理として進めます。観光利益が地域へ還元され、居住者が追い出されない仕組みも必要です。周辺200メートルを視野に入れた計画管理が重要です。
世界遺産検定で覚えるポイント
- チュニジア、1988年登録、2010年境界変更
- 基準(iii)(iv)(v)
- アグラブ朝期の交易・軍事港
- カスバ、城壁、リバート、大モスク
- リバートは要塞と宗教施設を兼ねる
- モナスティルと沿岸防衛網を形成
「初期イスラーム都市」「沿岸防衛」「生きたメディナ」を三つの基準へ対応させます。
旅の計画と生活空間への配慮
モスク、リバート、カスバは公開・礼拝・工事条件が異なります。住宅路地で人や室内を無断撮影せず、宗教施設の服装と立入規則を守ります。公開前と訪問直前に管理機関、施設、日本の外務省等の最新情報を確認してください。
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