スースの旧市街(メディナ)とは
スースは、チュニジアの地中海沿岸(サヘル地方)に位置する港町で、その旧市街(メディナ)は1988年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。9世紀にアグラブ朝によって建設されたこの都市は、イスラーム世界の海防の最前線であり、軍事拠点としての性格を色濃く反映した城壁や建造物が良好な状態で保存されています。イスラーム初期の要塞都市の典型例として、非常に高い歴史的価値を持っています。
世界遺産登録基準
- (iii) イスラーム黎明期の軍事・宗教建築群が一体となって残されており、消滅した文明の顕著な証拠です。
- (iv) リバト、大モスク、カスバは、イスラーム初期の沿岸防衛システムを構成する建築物群の傑出した例です。
- (v) 海からの脅威にさらされた土地利用の顕著な例であり、歴史的な街並みを今日に伝えています。
主な歴史的建造物
スースのメディナには、アグラブ朝時代の重要な建造物が数多く残されています。
建造物名 | 特徴 |
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リバト | 821年に建設された、現存する最古級の見張り塔兼要塞。イスラーム教の戦士たちが駐屯した。 |
大モスク | リバトに隣接するモスク。砦のような重厚な外観を持ち、防衛機能も兼ね備えていた。 |
カスバ | 都市で最も高い場所に位置する城塞。高さ30mの灯台兼用の望楼「ハレフの塔」がそびえる。 |