モレリアの歴史地区とは
メキシコのミチョアカン州の州都モレリアの歴史的な市街地で、1991年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。16世紀半ばにスペイン植民都市として建設され、地元のピンク色の石材(カンテーラ)で造られた壮麗なバロック建築群が、統一感のある美しい景観を形成しています。
遺産の概要と特徴
モレリアの歴史地区は、スペインのルネサンス理論とメソアメリカの経験が融合した、植民地時代の都市計画の傑出した例とされています。その名はメキシコ独立の英雄ホセ・マリア・モレーロスに由来します。
- 統一された都市景観: 200以上の歴史的建造物が、ピンク色の石材を用いて建てられており、街全体が調和の取れた優雅な雰囲気に包まれています。
- 建築様式: 大聖堂をはじめとする教会、宮殿、学院など、スペイン・バロック様式を基調としながらも、地元の職人の感性が加わった独自の建築が見られます。
- 歴史的重要性: メキシコ独立運動の指導者たちを輩出した地であり、歴史的にも重要な役割を果たしました。
世界遺産登録基準
- (ii) スペインの建築様式と地元の伝統が融合し、独自の都市景観が形成された文化交流の顕著な例である。
- (iv) 16世紀の都市計画と、その後の時代の建築様式が見事に調和した建築群の顕著な例である。
- (vi) メキシコ独立運動の歴史において重要な出来事や人物に深く関連している。
主要な建造物
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| モレリア大聖堂(カテドラル) | ピンク色の石で造られたバロック様式の壮麗な大聖堂。2つの高い塔が特徴的。 |
| 政府宮殿 | 旧神学校の建物を転用。内部にはミチョアカン州の歴史を描いた壁画がある。 |
| クラビヘロ宮殿 | 旧イエズス会学院。美しいバロック様式の中庭を持つ文化施設。 |