概要
大ジンバブエ遺跡は、ジンバブエ南部の高原地帯に広がる、11世紀から15世紀にかけて栄えた都市遺跡です。その名はショナ語で「石の家」を意味し、現在の国名の由来ともなりました。モルタルを使わずに花崗岩の切石を積み上げた壮大な建築群で知られ、アフリカ南部における独自の文明の発展を証明する重要な遺跡として、1986年に世界文化遺産に登録されました。
遺跡の構成
遺跡は主に三つの区域から構成されています。
- ヒル・コンプレックス(丘の遺跡):急な丘の上に築かれた、宗教的・政治的な中心地。王の住居であったと考えられています。
- グレート・エンクロージャー(大囲壁):高さ約11m、外周約250mに及ぶ巨大な楕円形の石壁。内部には謎の円錐塔があり、王妃の住居や儀式の場であったと推測されています。
- ヴァレー・コンプレックス(谷の遺跡):ヒル・コンプレックスとグレート・エンクロージャーの間に広がる居住区。多くの人々が暮らしていた場所です。
世界遺産登録基準
- (i) 人類の創造的才能を表す傑作であること。
- (iii) 消失した文明の存在を証明する、類いまれな証拠であること。
- (vi) 顕著な普遍的意義を有する出来事、生きた伝統、思想、信仰、芸術的作品、あるいは文学的作品と直接または明白に関連していること。