ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)とは
「ローマ帝国の国境線-ドナウのリーメス(西部分)」は、ドナウ川に沿って築かれたローマ帝国の防衛線です。現在のドイツ、オーストリア、スロバキア、ハンガリーにまたがり、要塞や監視塔の遺跡群が残されています。2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の価値と登録基準
ドナウのリーメスは、ローマ帝国とその隣接地域との文化交流や技術の伝播を物語る重要な証拠です。軍事拠点であると同時に交易の場でもあり、ローマ文化が周辺地域に与えた影響を示しています。その建築技術や防衛戦略は、人類の歴史における重要な段階を例証するものとして評価されています。
- 登録基準(ii): ある期間、あるいは世界の文化圏において、建築、技術、記念碑、都市計画、景観デザインの発展に重要な影響を与えた、人類の価値の交流を示すものである。
- 登録基準(iii): 現存するか消滅しているかにかかわらず、ある文化的伝統や文明の存在を伝える、唯一の、あるいは少なくとも稀な証拠となるものである。
- 登録基準(iv): 人類の歴史上、重要な時代を例証する建築様式、建築技術、あるいは景観の顕著な見本であること。
主な遺跡
この遺産には数多くの遺跡が含まれており、特にオーストリアのカルヌントゥムやハンガリーのアクインクムなどは、ローマ時代の都市や軍事基地の姿を今に伝えています。
| 遺跡名 | 国 | 特徴 | 
|---|---|---|
| レギンスブルクの要塞 | ドイツ | 保存状態が良好なローマ帝国時代の要塞 | 
| カルヌントゥム | オーストリア | ドナウ川沿いに位置する大規模なローマ時代の都市遺跡 | 
| アクインクム | ハンガリー | 古代ローマの軍事基地と都市の遺跡 | 
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “Frontiers of the Roman Empire – The Danube Limes (Western Segment)”. https://whc.unesco.org/ja/list/1608

 
    
       
       
       
       
       
       
       
       
      