古代都市エフェソス
エフェソスは、トルコ西部のエーゲ海沿岸に位置する、古代ギリシャ・ローマ時代を代表する都市遺跡です。アジア属州の首都として繁栄し、商業、文化、宗教の重要な中心地でした。特に、古代世界の七不思議の一つに数えられたアルテミス神殿があったことで知られています。現在残る壮大な遺跡群は、ローマ帝国時代の都市の姿を鮮明に伝えています。
主要な遺跡と歴史的価値
エフェソス遺跡のハイライトは、ケルスス(セルシウス)図書館の壮麗なファサードです。2階建ての美しい彫刻で飾られたこの建物は、ローマ建築の傑作とされています。また、約2万5000人を収容できたとされる大劇場は、演劇だけでなく市民集会や剣闘士の試合にも使われました。これらの遺跡は、大理石で舗装されたクレテス通りで結ばれており、古代都市の雰囲気を体感できます。
| 主要な遺跡 | 特徴 |
|---|---|
| アルテミス神殿 | 古代世界の七不思議の一つ。現在は基礎部分と一本の柱が残るのみ。 |
| ケルスス図書館 | ローマ帝国時代の図書館遺跡。保存状態の良い美しいファサードで有名。 |
| 大劇場 | 約2万5000人を収容可能な、ヘレニズム時代に起源を持つローマ様式の劇場。 |
世界遺産登録基準
- (iii) ヘレニズム時代から初期キリスト教時代、そしてトルコ時代に至るまで、多様な文化の伝統を伝える類まれな証拠です。
- (iv) ローマ帝国時代の都市計画と建築様式を代表する顕著な例です。
- (vi) 古代のアルテミス信仰の中心地であり、また初期キリスト教の布教においても重要な役割を果たしました。