WORLD HERITAGE
グアラニーのイエズス会伝道施設群
アルゼンチンとブラジルのグアラニーのイエズス会伝道所群は、教会・住居・工房を残す越境遺産です。グアラニーの主体性、奴隷狩り、植民地統治と抵抗、戦争の歴史を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1983年
- 登録基準
- (4)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- アルゼンチン・ブラジル
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
五伝道所・教会・集落の構成
アルゼンチンの四遺跡とブラジルの一遺跡からなるシリアル・越境遺産で、教会、広場、住居、工房、墓地、農地施設などが残ります。壮大な正面遺構だけでなく、食料生産、教育、礼拝、家族生活を含む集落として読みます。
伝道・移転・植民地境界の歴史
イエズス会とグアラニーが17・18世紀に形成した集落は、宣教だけでなく奴隷狩りからの避難、植民地国家間の境界政策、人口移動と結びつきました。保護の側面と改宗・規律・労働統制を同時に検討します。
石造建築・音楽・工房の共同制作
教会建築、木彫、石彫、楽器、印刷、農業・牧畜には欧州技術とグアラニーの素材知識・造形・言語が交わりました。宣教師だけを作者にせず、先住民の建築家、職人、音楽家、女性の織物・食事・育児労働を扱います。
奴隷狩り・グアラニー戦争・追放
バンデイランテの奴隷狩りは多数の先住民を殺害・連行し、集落移転を引き起こしました。マドリード条約による領土交換への抵抗とグアラニー戦争、イエズス会追放後の混乱を、受動的な改宗者ではなく意思決定した人びとの歴史として記します。
登録基準(iv)と遺産価値・検定ポイント
基準(iv)は教会、広場、住居、工房が組織された宣教集落の建築・都市形態を示す代表例として評価します。検定ではアルゼンチンとブラジル、越境遺産、グアラニー、イエズス会、奴隷狩り、基準(iv)を整理します。
植生・石材・生きた先住民文化の保全
豪雨、湿気、植物根、石材風化、火災、観光、周辺開発が課題です。過度な再建を避け、考古資料と排水を管理します。グアラニーを消滅した文化として展示せず、現在の諸共同体の土地権、言語、資料・遺骨への権利を尊重します。
旅行・越境遺産への配慮
開館、道路、国境手続、天候、修復は変動するため、必ず再確認します。遺構へ登らず、グアラニーの工芸・案内を公正に利用し、宣教を理想郷または一方的成功として語りません。
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