ディヤルバクル城塞とエヴセル庭園の文化的景観
ディヤルバクル城塞とエヴセル庭園は、トルコ南東部のティグリス川流域に位置する世界文化遺産です。古代ローマ時代から現代に至るまで、約5.8kmにわたる堅固な城壁がほぼ完全な形で残る城塞都市と、その城壁の外に広がり都市に食料を供給してきた緑豊かなエヴセル庭園から構成されています。この二つが一体となった景観は、数千年にわたる地域の歴史と文化を物語っています。
城塞と庭園の価値
黒い玄武岩で造られたディヤルバクル城塞は、その巨大さと保存状態の良さで知られ、多くの門、塔、碑文が残っています。城壁の内外には、異なる時代や文化を反映した教会、モスク、シナゴーグなどが点在します。一方、エヴセル庭園は、ティグリス川の豊かな水を利用した肥沃な土地で、古代からディヤルバクルの住民の食料庫としての役割を担ってきました。城塞と庭園の共生関係は、この地域の持続可能な生活文化の証です。
| 主要な構成資産 | 特徴 |
|---|---|
| ディヤルバクル城塞 | 黒い玄武岩で造られた堅固な城壁。ローマ、ビザンツ、オスマンなど各時代の建築様式が見られる。 |
| エヴセル庭園 | ティグリス川と城塞の間に広がる肥沃な庭園地帯。都市の生命線としての役割を果たした。 |
世界遺産登録基準
- (iv) ヘレニズム時代からイスラム時代、そして現代に至るまでの、要塞建築の発展を示す顕著な例です。