シダーデ・ヴェーリャ、リベイラ・グランデの歴史地区とは
シダーデ・ヴェーリャ、リベイラ・グランデの歴史地区は、カーボベルデ共和国のサンティアゴ島に位置する、国内最古の都市の遺跡です。2009年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。この都市は15世紀にポルトガル人によって建設され、熱帯地域におけるヨーロッパ初の恒久的な植民都市となりました。大航海時代には、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ大陸を結ぶ大西洋奴隷貿易の重要な中継地として栄えました。
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと見なされ、世界遺産に登録されました。
- (ii) ある期間を通じてまたはある文化圏において、建築、技術、記念碑的芸術、都市計画、景観デザインの発展に関し、人類の価値の重要な交流を示すもの。
- (iii) 現存するまたは消滅した文化的伝統または文明の、唯一のまたは少なくとも稀な証拠。
- (vi) 顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接にまたは明白に関連するもの。
遺産の価値と特徴
歴史的・文化的価値
シダーデ・ヴェーリャは、ヨーロッパ人大航海時代の初期の様子と、それに伴って生まれたクレオール文化の最初の証拠を示す場所です。ポルトガル植民地様式の建築と、アフリカの文化が融合した独特の景観が形成されました。また、大西洋奴隷貿易という人類の負の歴史を物語る重要な遺構でもあります。
主要な建造物
地区内には、当時の都市計画の跡や、要塞、教会、広場などの遺構が残されています。
- サン・フェリペ王の要塞:海賊の襲撃から街を守るために、16世紀に丘の上に建設された壮大な要塞。
- ノッサ・セニョーラ・ド・ロザリオ教会:15世紀に建てられたゴシック様式の教会で、世界で最も古い植民地の教会の一つ。
- ペロリーニョ(晒し台):16世紀に作られた広場の中心にある大理石の柱。王の権威の象徴であり、奴隷への罰が執行された場所でもあります。
地理と気候
サンティアゴ島の南岸、深い谷の河口に位置しています。この地理的条件が、港としての発展を可能にしました。気候は年間を通じて温暖な熱帯乾燥気候です。
参考文献
「シダーデ・ヴェーリャ、リベイラ・グランデの歴史地区」. UNESCO World Heritage Centre. https://whc.unesco.org/ja/list/1310