概要
シャンパーニュの丘陵、メゾンとカーヴは、フランス北東部のシャンパーニュ地方にある世界文化遺産です。この地域は、瓶内二次発酵という独自の手法で発泡ワイン「シャンパン」を生み出し、世界的なブランドとして確立させた文化的景観が評価されています。ブドウ畑が広がる丘陵、シャンパン製造業者(メゾン)の歴史的建造物、そして地下に広がる広大な貯蔵庫(カーヴ)が一体となって、シャンパン生産の伝統を物語っています。
主な構成資産
世界遺産は、シャンパン生産の歴史を象徴する3つの地区で構成されています。
構成資産 | 特徴 |
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オートヴィレール、アイ、マレイユ=シュル=アイの歴史的ブドウ畑 | シャンパンの原料となるブドウが栽培される丘陵地帯。テロワール(土壌・気候)を活かした栽培が行われている。 |
ランスのサン=ニケーズの丘 | 大手メゾンが所有する Gallo-Roman時代から続く石灰岩の採石場跡を利用した広大な地下カーヴ群が広がる。 |
エペルネーのシャンパン大通り | モエ・エ・シャンドンなどの有名なメゾンが軒を連ねる美しい通り。地下には数億本のシャンパンが眠るカーヴが網の目のように続く。 |
世界遺産登録
2015年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。その価値は以下の基準によって認められています。
- 登録基準 (iii): シャンパン製造という特殊な農産業活動によって形成された文化的伝統を伝える顕著な証拠であること。
- 登録基準 (iv): ブドウ畑から製品の出荷までの一連の生産工程を示す建造物群が、歴史の重要な段階を物語る見本であること。
- 登録基準 (vi): 祝祭の象徴として世界的に広まったシャンパンの文化的価値と関連する遺産であること。