メリダの考古遺跡とは
メリダの考古遺跡群は、スペイン西部のエストレマドゥーラ州の州都メリダに残る古代ローマ時代の遺跡群で、1993年に世界文化遺産に登録されました。メリダは、紀元前25年に初代ローマ皇帝アウグストゥスによって、退役軍人のための植民市「エメリタ・アウグスタ」として建設され、ルシタニア属州の首都として繁栄しました。そのため、ローマの首都を模した壮大な公共建築物が数多く造られ、その多くが現在も良好な状態で保存されています。
世界遺産としての価値
メリダの遺跡群は、ローマ帝国の地方における都市計画と建築技術を伝える、最も完全で広範な例の一つとして高く評価されています。
- 登録基準(iii): ローマ帝国の属州の首都がどのようなものであったかを物語る、類いまれな証拠である。
- 登録基準(iv): 劇場、円形闘技場、水道橋、橋、凱旋門といったローマ建築の優れた見本が集中しており、その保存状態も極めて良好である。
主な構成資産
市内とその周辺には、2000年前のローマ帝国の栄華を伝える壮大な遺跡が数多く残されています。
| 施設 | 特徴 |
|---|---|
| ローマ劇場・円形闘技場 | 約6,000人収容の劇場と、剣闘士の戦いや猛獣との闘いが行われた闘技場が隣接する。 |
| ローマ橋 | グアディアナ川に架かる全長792mの橋。建設後2000年近く経った現在も歩行者用として利用されている。 |
| ロス・ミラグロス水道橋 | 都市に水を供給した3つの水道橋の一つ。赤レンガと花崗岩のアーチが美しい姿で残る。 |
| ディアナ神殿 | 市の中心部にあったフォルム(公共広場)に建てられた神殿。 |
| トラヤヌスの凱旋門 | フォルムの入り口にあったとされる高さ約15mの凱旋門。 |