リオ・アビセオ国立公園の概要
リオ・アビセオ国立公園は、ペルー北部のアンデス山脈東斜面に広がる国立公園です。1990年に自然遺産、1992年に文化遺産の価値が認められ、複合遺産として登録されました。公園内にはアマゾン上流域の豊かな生態系が広がり、多くの固有種や絶滅危惧種が生息しています。同時に、チャチャポヤス文化をはじめとする先史時代の考古遺跡が30以上も発見されており、自然と文化が共存する稀有な場所です。
世界遺産登録基準
- (iii) グラン・パハテンをはじめとする公園内の遺跡群は、インカ帝国以前にアンデス地方で栄えた文化の存在を証明する、ユニークで優れた証拠である。
- (vii) 雲霧林と高地アンデスの草原が織りなすドラマチックな景観は、ひときわ優れた自然美を誇る。
- (ix) 多様な土壌と微気候、そして標高差が、非常に高い種分化を促しており、生態系の進化の過程を示す顕著な見本である。
- (x) ヘンディーウーリーモンキーなど多くの固有種や絶滅危惧種が生息しており、生物多様性の保全上、極めて重要な地域である。
主な遺跡と生物多様性
この公園の価値は、手つかずの自然と古代文明の痕跡が共存している点にあります。特にグラン・パハテン遺跡は、円形の建物と精巧な石の彫刻で知られ、チャチャポヤス文化の重要な遺産です。
| 遺跡名 | 特徴 |
|---|---|
| グラン・パハテン遺跡 | 雲霧林の中に佇む、インカ以前のチャチャポヤス文化の石造建築群。人や鳥をかたどったレリーフが特徴。 |
また、公園内は生物多様性のホットスポットであり、絶滅が危惧されるヘンディーウーリーモンキーの世界で唯一の生息地としても知られています。