スレバルナ自然保護区とは
ブルガリア北東部、ドナウ川のほとりに位置する「スレバルナ自然保護区」は、淡水湖であるスレバルナ湖とその周辺の湿地からなる、ヨーロッパ有数の野鳥のサンクチュアリです。渡り鳥の重要な中継地・繁殖地・越冬地となっており、その豊かな生物多様性が評価され、1983年に世界自然遺産に登録されました。
野鳥たちの楽園
スレバルナ自然保護区は、特に鳥類の多様性において際立っています。保護区内では約100種の鳥類が繁殖し、約80種の渡り鳥が越冬のために飛来します。中でも、絶滅が危惧されるダルマチアペリカンの世界最大のコロニー(繁殖地)がかつて存在したことで知られ、現在もその保護において極めて重要な役割を果たしています。
世界遺産登録基準
この保護区は、以下の唯一の基準によってその価値が認められています。
- 登録基準(x):絶滅危惧種を含む多種多様な鳥類の生息地として、生物多様性の保全上、国際的に極めて重要な地域であると評価されています。
多様な生態系と鳥類
スレバルナ湖には「ヨシの浮島」が点在し、鳥たちに安全な巣作りの場所を提供しています。周辺のヤナギ林や湿地帯も一体となって、多様な生息環境を形成しています。ここで見られる代表的な鳥類には以下のような種がいます。
- ダルマチアペリカン
- コビトウ
- ムラサキサギ
- ダイサギ
- サンカノゴイ
スレバルナ自然保護区は、ヨーロッパ全体の生態系ネットワークを支える重要な拠点であり、その繊細な自然環境の保全が国際的な課題となっています。