概要
「ヴェルサイユ宮殿と庭園」は、フランスのパリ南西に位置する、17世紀フランスのバロック様式を代表する宮殿建築です。「太陽王」ルイ14世が政治と権力の中心地として建造し、フランス絶対王政の象徴となりました。壮麗な宮殿と、アンドレ・ル・ノートルが設計した広大なフランス式庭園は、ヨーロッパ各国の宮廷文化に絶大な影響を与え、1979年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産としての価値
この遺産は、以下の登録基準を満たしていると評価されています。
- 登録基準(i): 人類の創造的才能を表現する傑作。建築、庭園、室内装飾、芸術品のすべてが一体となった総合芸術として、バロック様式の頂点とされています。
 - 登録基準(ii): ヨーロッパの宮廷文化に決定的な影響を与えたこと。ヴェルサイユは17世紀末から18世紀にかけて、趣味や芸術、様式の模範として各国の王宮建築のモデルとなりました。
 - 登録基準(vi): フランス絶対王政という重要な歴史的出来事と密接に関連していること。宮殿自体が、ルイ14世の統治理念を体現した場であり、歴史の舞台となりました。
 
主な見どころ
宮殿と庭園には、数多くの見どころが点在しています。
| 建築物・庭園名 | 特徴 | 
|---|---|
| 鏡の間 | 全長73mの回廊。17の窓から庭園の光を取り込み、向かい側の357枚の鏡がそれを反射する豪華絢爛な空間です。 | 
| 王の寝室 | 宮殿の中心に位置するルイ14世の寝室。豪華な織物や金箔で装飾されています。 | 
| オペラ劇場 | ルイ15世の時代に完成した劇場。優れた音響効果と豪華な内装で知られます。 | 
| 大トリアノン宮 | ルイ14世が私的な時間を過ごすために建てた離宮。ピンク色の大理石が美しい建物です。 | 
| 庭園 | 運河や泉、彫刻が幾何学的に配置されたフランス式庭園の傑作。広大な敷地を誇ります。 |