パンノンハルマのベネディクト会修道院と周辺の自然環境
ハンガリー西部のパンノニア地方の丘に建つ、国内最古のベネディクト会修道院です。996年にハンガリー大公ゲーザによって設立され、1000年以上にわたりハンガリーにおけるキリスト教文化と教育の中心地としての役割を果たしてきました。修道院とそれを取り巻く文化的景観が、1996年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産としての価値
パンノンハルマの修道院は、ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロックといった様々な時代の建築様式が調和して共存しており、1000年にわたる建築史の変遷を示す貴重な例証です。また、中欧におけるキリスト教の伝播と文化の発展に継続的に貢献してきた歴史的意義も高く評価されています。
- 登録基準(iv):人類の歴史上重要な時代を例証する建築様式、建築物群、技術の集積、または景観の優れた見本。
- 登録基準(vi):顕著で普遍的な意義を有する出来事、現存する伝統、思想、信仰または芸術的、文学的作品と直接に、または明白に関連するもの。
主な建造物
修道院の敷地内には、長い歴史を物語る重要な建造物が数多くあります。
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| 修道院付属教会 | 13世紀にゴシック様式で再建された聖堂。ロマネスク様式の地下聖堂も残る。 |
| 図書館 | 19世紀初頭に建てられた古典主義様式の壮麗な図書館。約40万冊の蔵書を誇る。 |
| 回廊 | 聖堂と修道士の居住区を結ぶゴシック様式の回廊。 |
| ワインセラー | 修道院はワイン醸造の伝統でも知られ、広大な地下セラーを持つ。 |