中央スリナム自然保護区とは
南米スリナムの中西部に広がる、約1万6000平方キロメートルに及ぶ広大な熱帯雨林地帯です。人の影響をほとんど受けていない原生的な自然環境と、そこに息づく豊かな生物多様性が評価され、2000年に世界自然遺産に登録されました。
遺産の価値
この保護区は、ギアナ高地の一部をなし、コッペナーメ川の上流域全体を保護しています。標高差のある地形には、低地林、山地林、沼沢林など多様な生態系が広がっています。花崗岩が浸食されてできた巨大な岩山(インゼルベルク)が点在し、独特の景観を生み出しています。手つかずの自然が残されているため、多くの動植物にとって重要な生息地となっています。
- 主な生息動物: ジャガー、オオアルマジロ、オオカワウソ、アメリカバクといった大型哺乳類や、クロクモザル、フサオマキザルなど8種の霊長類が生息しています。
- 鳥類・植物: 400種以上の鳥類が確認されており、植物相も非常に豊かです。
登録基準
- (ix) ギアナ高地の熱帯雨林における、現在進行中の生態学的・生物学的進化の過程を示す顕著な見本です。
- (x) 絶滅危惧種を含む多くの動植物種が生息しており、生物多様性の保全上、最も重要な自然生息地の一つです。