WORLD HERITAGE
ガラホナイ国立公園
スペイン領ラ・ゴメラ島のガラホナイ国立公園は、貿易風の霧に育つ照葉樹林と島の固有生物を守る自然遺産です。雲霧と水循環、進化、先住民・植民地史、火災と外来種への保全を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1986年
- 登録基準
- (7)・(9)
- 種類
- 自然遺産
- 国・地域
- スペイン
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
ラ・ゴメラ島の山地と雲霧林
カナリア諸島ラ・ゴメラ島の高地で、湿った貿易風が斜面を上昇して雲霧を生み、常緑広葉樹林を支えます。公園全体を均一な森とせず、標高、風上・風下、谷、岩地による植生差を読みます。境界や森林面積の割合は最新の公園資料で確認します。
霧が支える水循環
葉や枝が霧粒を受け止め、滴下した水が土壌・沢・地下水へ加わります。雨量だけでは捉えにくい『水平降水』が島の水循環に重要ですが、すべての水を森が生むと誇張しません。樹冠、落葉層、根、地形が保水と流出を調整する過程を理解します。
照葉樹林の遺存と島嶼進化
温暖湿潤だった過去の地中海周辺に広がった森林と系統的なつながりをもつ樹木群が残り、島の隔離と環境差の中で固有化が進みました。『第三紀そのままの森』とせず、気候・火山島・分散・絶滅を経て変化した生態系として扱います。種数や固有率は出典年を示します。
歴史―人びとの土地利用と森林変化
欧州植民地化以前から島には先住民社会があり、後の農業、放牧、薪炭、伐採、植林が森林分布を変えました。森林を無人の原生地として描かず、土地収奪と住民の生業、保護制度による利用変化を扱います。先住民名称・文化は現在の共同体や研究に即して確認します。
登録基準(vii)(ix)と遺産の価値
基準(vii)は霧に包まれる山地森林の景観、基準(ix)はマカロネシアの照葉樹林における生態・進化過程を評価します。検定ではスペイン、カナリア諸島、ラ・ゴメラ島、照葉樹林、貿易風と雲霧、固有種、基準(vii)(ix)を結びます。
火災・外来種・気候変動への対応
山火事、乾燥・高温、外来植物・動物、病害、観光圧が課題です。火災後は土壌流出と再生を監視し、植林で単一樹種へ置き換えません。雲底高度や霧頻度の変化を長期観測し、周辺農地・集落と防火帯、水利用、外来種対策を協働します。
旅行・火災規制・霧中歩行
遊歩道、駐車、火災危険時の閉鎖、天候、交通は変動するため、公園当局で必ず再確認します。霧で視界が急変するため防寒・雨具を備え、道を外れず、植物を採らず、火気規制を厳守します。
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