セゴビアの旧市街とローマ水道橋とは
セゴビアは、スペイン中部のカスティーリャ・イ・レオン州に位置する古都です。古代ローマ人が遺した壮大な水道橋、断崖にそびえる白雪姫の城のモデルとも言われるアルカサル、そしてゴシック様式の大聖堂が共存するこの街は、その類いまれな歴史的景観から1985年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
ローマ水道橋:古代ローマ工学の驚異
セゴビアのシンボルであるローマ水道橋は、1世紀頃に建設されたと考えられています。約17km離れたフリオ川から市内へ水を供給するために造られ、特に市街地を通る部分は、一切の接着剤を使わずに花崗岩のブロックを積み上げただけの二層アーチ構造となっています。全長約813メートル、最も高い地点で約28.5メートルに達するその姿は、古代ローマの高度な土木技術を今に伝える奇跡的な建造物です。
旧市街の主要な建造物
- アルカサル:街の西端の断崖に建つ城。元は要塞でしたが、歴代の王によって宮殿として改築されました。その優美な姿は、ディズニー映画『白雪姫』の城のモデルになったと言われています。
- セゴビア大聖堂:16世紀に建設が始まった後期ゴシック様式の大聖堂。「カテドラルの貴婦人」と称えられる、均整の取れた壮麗な外観が特徴です。
登録基準
この遺産は、以下の基準を満たしたと評価されています。
- (i) ローマ水道橋は、その美しさ、大胆な設計、そして驚異的な保存状態において、ローマ工学の傑作です。
- (iii) 旧市街の建造物は、中世からルネサンス期にかけてのスペイン都市の複雑な歴史的現実を証明しています。
- (iv) セゴビアは、様々な文化が融合し、西洋世界の都市発展に大きな影響を与えた都市の優れた例です。