WORLD HERITAGE
エルチェの椰子園
スペイン・エルチェの椰子園は、北アフリカ由来のナツメヤシと灌漑農業を乾燥地へ適応させた人工オアシスです。イスラム期の水利、農民・女性労働、水利権、害虫・干ばつと都市化を解説します。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 2000年
- 登録基準
- (2)・(5)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- スペイン
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
椰子園・区画・灌漑網の構成
都市を囲む多数の園地にナツメヤシ列、直交する区画、水路、貯水、農家・作業場が残ります。ヤシの樹冠だけでなく、その下で果樹・野菜を育てる多層栽培と、水・土・日陰を管理する農業システムとして読みます。
イスラム期都市農業と先行栽培の歴史
イベリアにヤシがより早く存在した可能性と、10~11世紀頃に整えられた都市・灌漑景観を区別します。北アフリカの技術移転を単純な輸入とせず、現地の水・土壌・作物への適応、征服後の所有・利用変化を追います。
水路・配水・三層栽培の技術
主要水路から持分・時間に応じて水を分け、ヤシ、果樹、野菜を高さごとに組み合わせます。水利制度を装置だけで語らず、水番、農民、借地人、剪定・受粉・収穫、女性の選果・加工・市場労働を可視化します。
水利権・農地・地域生活
水の不足時に誰が優先されるかは社会関係と権利に関わります。園地を都市公園だけにせず、現役農業・私有地・住民生活として扱います。観光・不動産価値の上昇が小農・借地人の継続を妨げないよう配慮します。
登録基準(ii)(v)と遺産価値・検定ポイント
基準(ii)は北アフリカからイベリアへの灌漑・オアシス農業技術の交流、基準(v)は乾燥環境に適応した都市周辺農業景観を評価します。検定ではエルチェ、ナツメヤシ、人工オアシス、基準(ii)(v)を整理します。
害虫・干ばつ・都市化への保全
ヤシ害虫・病気、干ばつ、塩類化、気候変動、水不足、農地分断、道路・建築、農業採算性が課題です。樹木だけでなく水路、作物、技能を保全し、病害監視と節水を進めます。園地所有者・農民へ維持費を還元します。
旅行・農園水路への配慮
公開園、私有地、作業、暑熱、害虫対策、配水は変動するため、必ず再確認します。ヤシへ登らず、果実を採らず、水路へ物を入れず、現役農業を撮影背景だけにしません。
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