WORLD HERITAGE
ハンピの建造物群
インド・カルナータカ州、巨岩とトゥンガバドラー川の景観に広がるヴィジャヤナガル帝国の首都遺跡です。寺院、王宮、市場、水利、農地が結びついた大都市の構造を伝えます。

ESSENTIAL FACTS
基本情報と登録基準
- 登録年
- 1986年
- 登録基準
- (1)・(3)・(4)
- 種類
- 文化遺産
- 国・地域
- インド
WHY IT MATTERS
この世界遺産について
ハンピの建造物群とは
インド南部カルナータカ州、トゥンガバドラー川沿いに広がるヴィジャヤナガル帝国の首都遺跡です。14~16世紀の寺院、王宮、市場、城壁、水利施設が、花崗岩の巨岩や丘と一体になった景観をつくります。
世界遺産の基本情報
正式登録名は「Group of Monuments at Hampi」。1986年に文化遺産として登録され、登録基準は(i)(iii)(iv)です。2012年に軽微な範囲変更があり、UNESCOの登録欄に示される資産面積は4,187.24ha、緩衝地帯は19,453.62haです。
巨岩と川を生かした都
丘と巨岩は防御に役立ち、川は都市を支える水源になりました。宗教施設が集まる聖域と、宮殿・浴場・行政施設などからなる王宮区域があり、その周囲には市場や居住域が広がりました。寺院単体ではなく、防御、生活、礼拝を結び付けた都市としての構成が特徴です。
ヴィッタラ寺院には、花崗岩を車の姿に仕立てたガルーダの祠が残ります。これは実際に走らせる乗り物ではなく、ヴィシュヌの乗り物であるガルーダを祀る建築です。境内の階段池、井戸、水路、寺院に続く市場の大通りも、宗教施設と都市基盤の結び付きを示します。
市場と建築交流
カルナータカ州観光局は、ハンピの市場で宝石、絹、香料、馬などが取引されたと説明しています。柱廊が並ぶ市場跡は、巨大な寺院が信仰だけでなく人や物の集まる場所でもあったことを伝えます。
現地の花崗岩に加えて焼成煉瓦や石灰モルタルが使われ、城壁、門塔、広間などが築かれました。象舎や「王妃の浴場」にはインド・イスラーム建築の要素も取り入れられています。寺院の高い門塔とは異なるアーチやドームから、多様な建築技術が都に集まった様子が分かります。
1565年の破壊と続く信仰
1565年のターリコータの戦いでヴィジャヤナガル軍が敗れた後、首都は略奪と大規模な破壊を受けました。ただし、政治の中心としての衰退と、その場所から信仰や暮らしがすべて失われたことは同じではありません。
ヴィルーパークシャ寺院では礼拝が続いています。ヴィジャヤナガラ県の案内によると、シヴァと妃パンパーデーヴィーに捧げられたこの寺院には、帝国成立以前の部分もあります。九層の門塔と、叙事詩やプラーナ文献の場面を描いたランガ・マンダパの天井画が特徴です。UNESCOも、祭礼、巡礼、農業などが遺産を構成する継続的な営みであると説明しています。
登録基準が評価するもの
基準(i)は、計画的に築かれ防御された都市、優れた寺院建築、自然景観の統合を評価します。基準(iii)はヴィジャヤナガル文明への顕著な証言、基準(iv)は1565年の破壊という歴史を伝える、現役の寺院と宗教・王宮・市民・軍事施設の遺構が共存する都市の姿を評価しています。
遺跡と現在の暮らしを守る
ハンピは1999~2006年に危機遺産一覧に記載されていました。2026年10月31日に確認したUNESCOの登録欄でも、この期間が示されています。解除は、その後の保存課題がなくなったという意味ではありません。
UNESCOの価値声明は、住宅や観光施設、道路、土地利用の変化による景観への影響を課題に挙げています。とくに礼拝が続くヴィルーパークシャ寺院の周辺では、現代の商店や飲食店、古い道への舗装などと遺構保存の調整が必要とされています。保存の対象は石造建築だけではなく、寺院に通う人びとや地域の生業を含む景観です。
検定のポイント
- インド・カルナータカ州、トゥンガバドラー川沿いのヴィジャヤナガル帝国の首都遺跡。
- 1986年登録の文化遺産。登録基準は(i)(iii)(iv)。
- ヴィッタラ寺院の石の車はガルーダの祠。ヴィルーパークシャ寺院では礼拝が続く。
- 1565年のターリコータの戦いの後、首都は大規模な破壊を受けた。
- 危機遺産記載期間は1999~2006年。
参考文献
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EXAM ESSENTIALS
世界遺産検定で押さえるポイント
- インド・カルナータカ州、トゥンガバドラー川沿いのヴィジャヤナガル帝国の首都遺跡。
- 1986年登録の文化遺産。登録基準は(i)(iii)(iv)。
- ヴィッタラ寺院の石の車はガルーダの祠。ヴィルーパークシャ寺院では礼拝が続く。
- 1565年のターリコータの戦いの後、首都は大規模な破壊を受けた。
- 危機遺産記載期間は1999~2006年。
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