イギリス湖水地方とは
イギリス湖水地方は、イングランド北西部に広がる湖、山、谷が織りなす壮大な景観を持つ地域です。2017年に世界文化遺産に登録されました。この美しい自然は、18世紀のピクチャレスク運動やロマン主義運動に大きな影響を与え、詩人ウィリアム・ワーズワースや、『ピーターラビット』の作者ビアトリクス・ポターといった多くの芸術家たちにインスピレーションを与えました。自然と人間活動が一体となった文化的景観が高く評価されています。
遺産の価値
- 文化的景観の形成: 壮大な自然景観と、それに応答して発展した農地、庭園、ヴィラなどが一体となり、自然と人間の相互作用を示す独特の文化的景観を形成しています。
 - 芸術への影響: ワーズワースをはじめとする「湖水詩人」や多くの画家たちの創作活動の源泉となり、自然の普遍的価値を世界に広めるきっかけとなりました。
 
主な見どころ
湖水地方には、その歴史的価値と美しさから多くの人々を魅了する名所が点在しています。
| 名所名 | 特徴 | 
|---|---|
| ウィンダミア湖 | イングランド最大の湖。遊覧船やウォータースポーツが盛んで、湖畔には美しい町が点在する。 | 
| スコーフェル・パイク | イングランド最高峰の山(標高978m)。登山者に人気のスポットで、山頂からは壮大な景色が望める。 | 
| ダヴ・コテージ | 詩人ウィリアム・ワーズワースがかつて暮らした家。現在は博物館として公開されている。 | 
登録基準
- (ii) 美しい自然景観が芸術運動に影響を与え、保護思想の発展など、価値観の交流を示している。
 - (v) 何世紀にもわたる農牧業によって形成された土地利用が、自然と調和した文化的景観の顕著な見本である。
 - (vi) ワーズワースなどの作品を通じて、自然の美しさや人間との関係性といった普遍的なテーマと結びついている。