左江花山のロック・アートの文化的景観とは
左江花山のロック・アートの文化的景観は、中国広西チワン族自治区を流れる左江沿いの断崖に広がる岩絵群で、2016年に世界文化遺産に登録されました。紀元前5世紀から西暦2世紀にかけて、チワン族の祖先である駱越(らくえつ)の人々によって描かれたもので、儀式や社会生活を主題とした約1900の図像が残されています。
世界遺産登録基準
- (iii) ある文化的伝統の稀な証拠。岩絵群は、当時の人々の生活や精神世界を伝える唯一無二の証拠です。
- (vi) 生きている伝統や信仰と直接結びついていること。これらの岩絵は、現在もチワン族の人々の信仰の対象であり、地域の文化的アイデンティティの中核をなしています。
遺産の概要
岩絵は、左江沿いのカルスト地形の断崖に、赤色の顔料で描かれています。銅鼓を叩く人物や、犬を連れた人物、剣をかざす人物などが描かれ、当時の祭礼や社会の様子を生き生きと伝えています。自然の景観と一体となったこれらのロック・アートは、当時の人々が自然と共生し、信仰を表現した文化的景観を形成しています。
主要な壁画の主題
| 主題 | 特徴 |
|---|---|
| 儀式と祭礼 | 銅鼓を叩き、踊る人々が描かれ、集団での儀式の様子がうかがえる。 |
| 戦いや社会生活 | 武器を持つ人物や動物などが描かれ、当時の社会活動を反映している。 |
参考文献
「左江花山のロック・アートの文化的景観」. UNESCO. https://whc.unesco.org/ja/list/1508