ザゴリの文化的景観とは
ザゴリは、ギリシャ北西部エピルス地方のピンドス山脈に広がる山岳地帯です。険しい石灰岩の山々と深い峡谷に抱かれたこの地域には、石造りの伝統的な集落が点在しています。これらの村々は、厳しい自然環境に適応し、独自の建築文化と社会構造を育んできました。石畳の道やアーチ橋が村々を結び、自然と人間の営みが一体となった美しい文化的景観を形成しています。
世界遺産登録
2023年、「ザゴリの文化的景観」は、以下の登録基準を満たしたとして世界文化遺産に登録されました。
- 登録基準(v):バルカン半島の伝統的な山岳集落(ザゴリシア)の建築様式を代表する顕著な例であり、厳しい環境の中で何世紀にもわたって維持されてきた農牧畜の暮らしを反映している。
遺産の価値と特徴
ザゴリの文化的景観の価値は、自然と調和した伝統的な石造り建築にあります。地域の石材を用いて建てられた家々、教会、そしてヴィコス峡谷などの険しい谷に架けられた優美な石のアーチ橋は、この地域の建築技術の高さを象徴しています。これらの村々は、オスマン帝国時代に自治的なコミュニティとして繁栄し、その富を背景に独自の文化を育みました。ザゴリの景観は、自然を尊重し、その中で持続可能な生活を営んできた人々の知恵と歴史を今に伝えています。
| 文化財名 | 特徴 |
|---|---|
| ヴィコス峡谷 | 世界で最も深い峡谷の一つとされ、ザゴリを代表する壮大な自然景観。 |
| ザゴリの村々 | モノデンドリ村など、伝統的な石造りの家々が並ぶ46の村。 |
| 石のアーチ橋 | 谷や川を越えて村々を結ぶ、地域の象徴的な建造物。 |