ワディ・ラム保護地域とは
ワディ・ラム保護地域は、ヨルダン南部に広がる砂漠地帯で、2011年に自然と文化の複合遺産としてユネスコの世界遺産に登録されました。壮大な砂岩の断崖や自然のアーチが織りなす景観美から「月の谷」とも呼ばれ、先史時代から続く人類の活動の痕跡が数多く残されています。
世界遺産登録基準
- (iii) 1万2000年以上にわたる人類の営みを示す岩絵や碑文が残されており、遊牧文化の発展を物語る稀有な証拠。
- (v) 厳しい砂漠環境に適応してきたベドウィンの伝統的な土地利用を示す顕著な見本。
- (vii) 切り立った断崖、自然のアーチ、広大な砂丘などが織りなす、他に類を見ない自然の美しさを持つ景観。
遺産の詳細
ワディ・ラムは、巨大な岩山や砂丘、自然に形成されたアーチや橋など、その壮大な自然景観で知られています。この地域には2万5000点以上の岩絵や2万点以上の碑文が残されており、古代の人々の生活や信仰を知る上で貴重な文化的遺産となっています。現在もこの地で暮らすベドウィンの伝統文化も、遺産の重要な構成要素です。
主な特徴
| 要素 | 特徴 |
|---|---|
| 岩絵と碑文 | 狩猟の様子や動物、人間の姿が描かれ、古代の人々の生活を伝える。 |
| 自然景観 | 「知恵の七柱」と呼ばれる岩山や、数々の自然橋が有名。 |
| ベドウィン文化 | 伝統的な生活様式が受け継がれており、自然と共生する文化を体現している。 |