ビリニュスの歴史地区とは
ビリニュスの歴史地区は、リトアニアの首都ビリニュスの旧市街で、1994年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。中世から続くこの街は、東欧における政治・文化の中心地として発展し、ゴシック、ルネサンス、バロック、古典主義といった多様な建築様式が融合した美しい街並みを形成しています。
世界遺産登録基準
- (ii) 何世紀にもわたり、東欧、中欧、西欧の建築・文化様式が交差し、影響を与え合ったことを示す顕著な見本。
- (iv) 中世から続く小国の首都として、多様なヨーロッパの建築様式を取り入れながら発展した都市景観の優れた例。
遺産の詳細
ビリニュスは14世紀から18世紀にかけてリトアニア大公国の中心として繁栄しました。その歴史地区は、中世の都市計画の面影を色濃く残しており、迷路のように入り組んだ通りに沿って様々な時代の教会や宮殿、大学の建物が立ち並びます。特にバロック様式の建築が多く、「バロックの街」とも称されます。多様な文化が交錯した歴史を背景に、カトリック、正教会、ユダヤ教などの宗教施設が共存している点も特徴です。
主な建造物
| 名称 | 特徴 |
|---|---|
| ビリニュス大聖堂 | リトアニア・カトリックの総本山。古典主義様式の現在の建物は18世紀に再建された。 |
| 聖アンナ教会 | 後期ゴシック様式(フランボワイヤン・ゴシック)の傑作で、33種類のレンガが使用されている。 |
| ゲディミナス塔 | 中世の城塞の一部で、丘の上からビリニュスの街並みを一望できるシンボル的存在。 |
| ビリニュス大学 | 1579年創立の東欧最古の大学の一つ。中庭を囲むように様々な時代の建物が並ぶ。 |