ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレの写真

ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ

ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレの概要と価値

ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレは、イタリアのシチリア島ピアッツァ・アルメリーナ近郊に位置する古代ローマ時代後期の豪華な邸宅(ヴィッラ)です。4世紀頃に建設されたとされ、ローマ帝国属州の社会経済構造を象徴する建造物として非常に重要です。特に、約3500平方メートルに及ぶ床を覆う、保存状態が極めて良好なモザイク画群で世界的に知られており、1997年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

世界遺産登録基準

  • (i) 床を埋め尽くすモザイク画は、その質の高さ、主題の豊かさ、規模の大きさにおいて、ローマ時代の傑作です。
  • (ii) この邸宅のモザイク画には、北アフリカなどローマ帝国内の様々な地域の様式や技術が取り入れられており、当時の文化交流を物語っています。
  • (iii) ローマ帝国時代の地方における大規模農園(ラティフンディウム)の中心であった邸宅の構造と装飾を完璧な形で今に伝えており、当時の社会経済を理解する上で他に類を見ない証拠です。

壮麗なモザイク装飾

この邸宅の最大の特徴は、床面を飾る壮大で精緻なモザイク画です。神話の場面、大規模な狩猟風景、日常生活、そして有名な「ビキニの少女たち」として知られる体操競技の場面など、多岐にわたる主題が生き生きと描かれています。これらのモザイクは、ローマ時代の芸術性と職人技術の高さを証明する貴重な遺産です。

モザイク 特徴
大狩猟の廊下 アフリカの動物を捕獲し、ローマへ輸送する様子を描いた壮大な作品。
ビキニの少女たちの間 体操競技や球技に興じる女性たちを描いた、当時としては珍しいモザイク。
オルフェウスの間 神話の音楽家オルフェウスが動物たちを魅了する場面を描いている。

観光と保全

ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレは、シチリア島で最も人気のある観光地の一つです。貴重なモザイクを保護するため、遺跡全体が保護用の屋根で覆われ、見学用の通路が整備されています。訪問者は、古代ローマの貴族の豪華な生活空間を間近で体感できます。遺跡の劣化を防ぐための継続的な修復・保存作業が行われています。

ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレの基本情報

                         
国名 イタリア共和国
世界遺産の名称 ヴィッラ・ロマーナ・デル・カサーレ
遺産の種類 文化遺産
登録年 1997
拡張・範囲変更
危機遺産
危機遺産登録期間
登録基準 (ⅰ)(ⅱ)(ⅲ)
備考
範囲(ヘクタール)8.92
地図

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