ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区のタゲイ森林群とは
ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区は、タジキスタン南西部、アフガニスタンとの国境付近に位置する中央アジア最大級の自然保護区です。この地域は、アムダリヤ川とその支流ヴァフシュ川の氾濫原に広がる、タゲイ(トゥガイ)と呼ばれる河畔林が特徴です。広大な砂漠地帯の中に存在するこの緑豊かな生態系は、多種多様な動植物の貴重な生息地となっています。
世界遺産登録
2023年、「ティグローヴァヤ・バルカ自然保護区のタゲイ森林群」は、以下の登録基準を満たしたとして世界自然遺産に登録されました。
- 登録基準(ix):中央アジアの広大な砂漠において、河川の動態によって形成・維持されるタゲイ森林の生態系の進化を示す顕著な例である。
遺産の価値と特徴
ティグローヴァヤ・バルカの価値は、砂漠気候の中で特異な生態系を維持している点にあります。タゲイ森林は、ポプラやギョリュウなどの樹木で構成され、絶滅の危機に瀕していたブハラジカ(アジアアカシカの亜種)の最後の生息地でもあります。保護活動によりその個体数は回復しつつあります。その他にも、渡り鳥の重要な中継地であり、多様な爬虫類や昆虫類が生息するなど、豊かな生物多様性を誇ります。ここは、中央アジアの乾燥地帯における生命のオアシスとして、極めて重要な役割を担っています。
| 生態系 | 特徴 |
|---|---|
| タゲイ森林群 | 河川の氾濫原に形成される独特の河畔林。 |
| 砂漠生態系 | タゲイ森林を取り巻く、乾燥地帯特有の動植物が生息する環境。 |
| 水辺の生態系 | 多くの渡り鳥や水生生物の生息地となる河川や湖沼。 |