概要
ジョグジャカルタは、インドネシアのジャワ島中南部に位置する、ジャワ文化の中心地です。この遺産は、18世紀にジョグジャカルタ王国が築いた都市計画そのものを指します。その核心は、北のムラピ山と南のインド洋（南海）を結ぶ約6キロの直線的な「宇宙軸」です。この軸線上に、王宮（クラトン）を中心に、記念碑や広場などの主要な歴史的建造物が配置されています。この都市設計は、王が神と民衆を結ぶ存在であるとするジャワの伝統的な宇宙観や世界観を具現化したものであり、現在も儀式や市民生活の中に生き続けています。2023年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録
2023年に世界文化遺産として登録されました。
- 登録基準(ii): ジャワの伝統的な信仰と、ヒンドゥー教、仏教、イスラム教、西洋の影響が融合し、独自の都市計画と建築様式を生み出したことを示していること。
- 登録基準(iii): 18世紀以降のジャワ文明と、その宇宙観に基づく文化的伝統を現代に伝える類い稀な証拠であること。
軸線を構成する主要な場所
| 建造物名 | 特徴 |
|---|---|
| ジョグジャカルタ王宮（クラトン） | 宇宙軸の中心に位置する王の居城であり、政治・文化の中心。ジャワ建築の粋を集めている。 |
| ジョグジャカルタ記念碑（トゥグ・ジョグジャ） | 軸線の北端に位置する都市の象徴的なモニュメント。 |
| タマン・サリ（水の宮殿） | 王宮の南西に位置する王族の保養施設。沐浴場や庭園が美しい。 |
| 南の広場（アルン・アルン・キドゥル） | 王宮の南側にある広場。市民の憩いの場となっている。 |
