概要
ブルゴーニュのブドウ畑のクリマは、フランス東部のブルゴーニュ地方、ディジョンからマランジュにかけて広がるワイン生産地域の世界文化遺産です。この地域では、ブドウ畑の小さな区画一つひとつが「クリマ」と呼ばれ、それぞれが固有のテロワール(土壌、日当たり、風向きなどの自然条件)を持っています。2000年にわたるワイン造りの歴史の中で、人々が土地の個性を最大限に引き出してきた結果、この独特な文化的景観が生まれました。
クリマとは
「クリマ」は、ブルゴーニュ地方に特有の概念で、単なる畑の区画以上の意味を持ちます。それぞれのクリマは、石垣で明確に区切られ、固有の名称が与えられています。その土地の微細な自然条件の違いが、ワインの個性として明確に現れると信じられており、このクリマの概念がブルゴーニュワインの多様性と品質の根幹をなしています。特に有名なクリマは以下の通りです。
| クリマ名 | 特徴 |
|---|---|
| ロマネ・コンティ | ヴォーヌ・ロマネ村にある特級畑。世界で最も高価なワインの一つを生み出すことで知られる。 |
| モンラッシェ | ピュリニー・モンラッシェ村とシャサーニュ・モンラッシェ村にまたがる特級畑。世界最高峰の白ワインの産地。 |
| クロ・ド・ヴージョ | 中世のシトー会修道士によって開かれた、ブルゴーMニュで最大の面積を持つ特級畑。 |
世界遺産登録
2015年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。登録にあたっては、以下の基準が評価されました。
- 登録基準 (iii): 2000年にわたり、ブドウ栽培とワイン生産を通じて土地の個性を引き出してきた、他に類を見ない文化的伝統の証拠であること。
- 登録基準 (v): 自然環境と人間の営みが長期間にわたって相互に作用し、世界的に有名なワイン産地としての文化的景観を形成した、土地利用の顕著な見本であること。