タイ国立公園とは
コートジボワール西部に位置する、西アフリカ最大級の原生熱帯雨林が残る国立公園で、1982年に世界自然遺産に登録されました。多くの固有種や絶滅危惧種が生息する生物多様性の宝庫であり、手つかずの自然が保たれています。
登録基準
- (vii) ひときわ優れた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を包含するもの。鬱蒼とした原生林と、その中を流れるカヴァリ川などが織りなす景観は、原始の森の力強い美しさを湛えています。
- (x) 生物多様性の本来的保全にとって最も重要な自然の生息地を包含するもの。特に、絶滅が危惧されるピグミーカバの世界最大の個体群が生息しているほか、チンパンジーの亜種など、多くの希少な動植物の最後の砦となっています。
遺産の価値
タイ国立公園の最大の価値は、その圧倒的な生物多様性にあります。140種以上の哺乳類、250種以上の鳥類が確認されており、その多くがこの地域でしか見られない固有種です。また、この森は周辺に暮らす先住民族の文化と深く結びついており、彼らの伝統的な知識や生活様式が、森と共に守られてきた文化的価値も持ち合わせています。
遺産の概要
公園は広大な低地熱帯雨林で覆われており、年間を通じて高温多湿な気候です。豊富な降雨が、多様な生命を育む豊かな森を形成しています。ピグミーカバやチンパンジーのほか、マルミミゾウや数種類のダイカー(小型のアンテロープ)など、貴重な野生動物が生息しています。
観光と保全
エコツーリズムの目的地として、ガイド付きのトレッキングなどを通じて、その豊かな自然を体験することができます。しかし、周辺地域での農地拡大や違法な伐採、密猟といった脅威に常にさらされており、国際的な支援を受けながらレンジャーによるパトロールなどの保護活動が強化されています。持続可能な観光と厳格な保全の両立が求められています。
タイ国立公園の主な動植物
| 分類 | 種名 | 保護状況 |
|---|---|---|
| 哺乳類 | ピグミーカバ | 絶滅危惧種 |
| 哺乳類 | ニシチンパンジー | 絶滅危惧種 |
| 鳥類 | ヨウム | 絶滅危惧種 |
| 植物 | 巨大マホガニー | 希少種 |