コートジボワール北部のスーダン様式モスク群とは
コートジボワール北部のスーダン様式モスク群は、17世紀から19世紀にかけて建設された8つの泥造りモスクからなる世界文化遺産です。サハラ砂漠を越える交易路沿いに発展した独特の建築様式を今に伝えており、2021年に登録されました。
遺産の価値と登録基準
これらのモスクは、日干しレンガと木材を組み合わせたスーダン・サヘル様式建築の優れた例です。突出した木製の梁や垂直の控え壁が特徴で、地域の気候に適応した持続可能な建築技術を示しています。また、イスラム文化と在地文化が融合した生きた信仰の場としての価値も持っています。
- 登録基準(ii): ある期間、あるいは世界の文化圏において、建築、技術、記念碑、都市計画、景観デザインの発展に重要な影響を与えた、人類の価値の交流を示すものである。
- 登録基準(iv): 人類の歴史上、重要な時代を例証する建築様式、建築技術、あるいは景観の顕著な見本であること。
主なモスク
登録された8つのモスクは、いずれも地域社会の宗教的・文化的な中心地として機能しています。中でもコングのモスクは、その歴史的な重要性と保存状態の良さで知られています。
| モスク名 | 所在地 | 特徴 |
|---|---|---|
| テングレラのモスク | サヴァヌ州 | 最も保存状態が良いとされるモスクの一つ |
| コングのモスク群 | サヴァヌ州 | 交易都市として栄えたコングに残る2つのモスク |
| カウアラのモスク | ザンザン州 | 伝統的な建築技術を今に伝える |
参考文献
UNESCO World Heritage Centre. “Sudanese style mosques in northern Côte d’Ivoire”. https://whc.unesco.org/ja/list/1648