ヒルデスハイムの聖マリア大聖堂と聖ミヒャエル教会とは
ドイツ北部ヒルデスハイムに位置するこの2つの教会は、神聖ローマ帝国オットー朝時代に花開いた「オットー・ルネサンス」を代表するロマネスク建築の傑作です。特に11世紀初頭の芸術と建築の革新性を今に伝える貴重な遺構として、1985年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録の理由
この遺産は、以下の登録基準を満たしています。
- 登録基準(i): 聖ミヒャエル教会の天井画や聖マリア大聖堂の青銅製の扉などは、オットー朝ロマネスク芸術の創造性を示す傑作です。
- 登録基準(ii): これら二つの教会は、ロマネスク建築の発展に決定的な影響を与えました。
- 登録基準(iii): オットー朝時代のキリスト教文化と芸術的伝統を伝える、他に類のない証拠です。
主な見どころ
聖ミヒャエル教会
厳格なシンメトリー(左右対称)に基づいて設計された、初期ロマネスク建築の画期的な教会。内部の木製天井に描かれた、キリストの系譜を示す「エッサイの樹」の天井画は圧巻です。
聖マリア大聖堂
芸術の庇護者であったベルンヴァルト司教の命により制作された、世界的に有名な青銅芸術品が至宝です。
- ベルンヴァルトの扉: 旧約聖書の創世記と新約聖書のキリストの生涯の場面を、左右対比させて描いた巨大な青銅製の扉。物語性豊かな浮き彫りはロマネスク彫刻の最高傑作とされます。
- キリストの円柱: ローマのトラヤヌス帝の記念柱に倣い、キリストの公生涯の場面を螺旋状のレリーフで表現した青銅の円柱です。
- 千年バラ: 聖堂の中庭には、樹齢1000年を超えると伝えられる伝説のバラの木があります。
遺産の概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 登録名称 | St Mary’s Cathedral and St Michael’s Church at Hildesheim |
| 所在地 | ドイツ連邦共和国 ニーダーザクセン州 |
| 登録年 | 1985年 |
| 登録基準 | (i), (ii), (iii) |