概要
ソルターニーイェは、イランのザンジャーン州にあるイルハン朝時代の都市遺跡です。14世紀初頭にイルハン朝の君主オルジェイトゥによって首都として建設されました。特に、世界最大級の二重構造ドームを持つオルジェイトゥ廟で知られています。イスラム建築の発展における重要なランドマークとして、2005年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録基準
- (ii) その建築と芸術的要素は、イスラム建築の発展における重要な段階を示しており、後のティムール朝建築などに大きな影響を与えました。
- (iii) イルハン朝時代の宗教的・文化的意義を示す遺跡であり、当時のイスラム文化とモンゴル文化の融合を象徴しています。
- (iv) オルジェイトゥ廟は、中世イスラム建築の発展において極めて重要な役割を果たした傑出した例です。
主な構成資産
ソルターニーイェの建築物は、その精緻な設計と建設技術で知られています。特に、オルジェイトゥ廟のドームは、当時の建築技術の高さを示しています。
建築物 | 特徴 |
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オルジェイトゥ廟 | 巨大なターコイズブルーのドームを持つ霊廟で、イルハン朝建築の最高傑作。 |
モスク | 当時の宗教的意義を示す複数のモスクの遺構。 |
宮殿 | イルハン朝の君主が居住したとされる宮殿の遺構。 |
遺産の価値
ソルターニーイェは、イスラム文化とモンゴル文化が融合して生まれたイルハン朝の芸術と建築を象徴する遺跡です。その建築様式は、中央アジアからアナトリアに至る広範な地域の建築に影響を与えました。現在もその歴史的価値を維持するため、厳格な保全管理が行われています。