ロバート・ブール・マルクス記念遺産とは
ロバート・ブール・マルクス記念遺産は、ブラジルを代表する造園家・芸術家であったロバート・ブール・マルクス(1909-1994)が40年以上にわたって暮らした自邸と庭園です。リオデジャネイロ西部に位置し、彼が「生きた実験室」と呼んだこの場所には、ブラジル固有の植物を中心とした3,500種以上の植物が集められています。2021年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。
遺産の主な特徴
この遺産は、ブール・マルクスの芸術的・生態学的な思想を体現した場所であり、彼のデザイン哲学の集大成とされています。
| 特徴 | 詳細 |
|---|---|
| 革新的なランドスケープデザイン | 曲線を多用した有機的なフォルムと、色彩や質感の対比を重視した植栽が特徴。自然の地形を活かし、近代建築と調和する「トロピカル・モダン」様式を確立しました。 |
| 植物コレクション | ブラジルの多様な生態系から収集した希少種や絶滅危惧種を保護・栽培しており、植物学的にも非常に価値が高いコレクションです。 |
| 芸術との融合 | 庭園だけでなく、彼自身の絵画や彫刻、民芸品のコレクションも展示されており、総合的な芸術空間となっています。 |
世界遺産としての価値
この遺産は、20世紀のランドスケープデザインに革命をもたらしたブール・マルクスの創造性を証明する傑作です。自然環境の保護と芸術的創造を結びつけ、近代的な庭園のあり方を示した点で、世界の造園史に大きな影響を与えました。
登録基準
- (ii) ブール・マルクスがここで確立したデザインは、国際的なランドスケープの発展に大きな影響を与え、価値観の交流を示しています。
- (iv) ブラジルの植物を大胆に用いた彼の庭園は、近代庭園の思想を代表する顕著な見本です。