概要
「シルクロード:ザラフシャン・カラクム回廊」は、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの3か国にまたがる世界遺産です。この回廊は、古代の東西交易路シルクロードの中でも特に重要なルートの一つでした。アムダリヤ川とシルダリヤ川に挟まれたザラフシャン川流域の肥沃なオアシス都市群と、南西に広がるカラクム砂漠を越える過酷な道のりから構成されています。紀元前2世紀から16世紀にかけて、この回廊を通じて商品だけでなく、文化、宗教、技術、思想が活発に交流しました。隊商宿(キャラバンサライ)や都市、用水路などの遺跡群が、往時の繁栄を物語っています。2023年に世界文化遺産に登録されました。
世界遺産登録
2023年に世界文化遺産として登録されました。
- 登録基準(ii): シルクロードにおける多様な文化、科学、技術の交流を証明する顕著な物証であること。
- 登録基準(iii): 長期間にわたる東西交流の中心地であった中央アジアの文明の証拠を伝えていること。
- 登録基準(v): 厳しい自然環境に適応し、交易を可能にした灌漑システムや都市計画の優れた見本であること。
回廊に含まれる主要都市・遺跡
遺跡名 | 国名 | 特徴 |
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サマルカンドの遺跡群 | ウズベキスタン | シルクロードの中心都市として栄えた「青の都」。レギスタン広場などが有名。 |
ブハラの遺跡群 | ウズベキスタン | 多くのモスクやマドラサが残る宗教・学術の中心地。 |
古代都市ペンジケント | タジキスタン | ザラフシャン川沿いに栄えたソグド人の都市。壁画が多数発見されている。 |
メルヴの遺跡群 | トルクメニスタン | カラクム砂漠に位置する広大なオアシス都市。時代の異なる複数の都市遺跡が重なる。 |